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【炎樹×明里】

 

「あーもー!やってらんねえええ!」

 

 

「やばい!炎樹さんが限界だ!」

「いつもの頼む!」

 

「あ、もしもし明里さん?いますぐ来れるかしら?

え?ああ、そうなの。いつもの炎樹のあれよ。」

 

九神炎樹がキレたときorだれているときorスランプのときetc。

彼の婚約者を呼ぶのは既に業界関係者の間では最善の対策として知られている。

 

(「明里さんさえいればいいので、以前より楽になりました。」by鈴原)

 


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【(炎樹×)明里&】

 

「ほら、この人があなたのお父さんよー。」

テレビの前に座って、膝には息子を抱っこして。

”九神炎樹”を指差した。

売れるのはいいんだけれど、仕事が増えて忙しくて、やっぱり寂しい。

そして要さんも、息子に忘れられちゃってたのがかなりショックだったらしい。

 

次帰ってくるまでに、パパって言えるようになろうね。

 

(一人だったのが二人になった、待つ時間。)

 


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【炎樹×明里】

 

「……ね、要さん。今日のところはもう諦めて寝ましょうよ。また明日やればいいじゃない。」

「…くっそー。明里ばっかりずりぃ!」

「ずるいって言われても…。じゃあ要さんつわりとかも体験したかったの?」

「うっ。それは……。悪ぃ、明里は辛い思いもしてるんだもんな。マジで、ありがとな。」

 

おなかの中の命がはっきりとその存在をアピールし始め、胎動を感じられるようになってから、要は暇さえあれば明里の腹にぴたりとくっついて離れない。

自分も感じたいと言うのだ。

しかし不幸にもまだ一度もそのチャンスに恵まれず、トイレに行っている間だとか飲み物を取りに行ったときだとか、風呂に入っている間だとか。

そんなときにばかり動くものだから、悔しがり、余計意地になっているのだ。

始終くっついていられると、はっきり言って行動しにくいのだが、その反面子どもの誕生を本当に喜んでくれているようで嬉しい。

もともと妹が居るからか、子どもは好きらしい。

最近は共演する子どもたちとも率先して遊んでいると聞く。

生まれてから、まるで兄弟のように遊んでいる姿が浮かんで、思わずくすりと笑いがこぼれた。

 

(ほのぼの新婚家庭。)

 

オマケ

「あ、動いた。」

「なにぃー!?また逃したァァァ!」

 

 


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【(炎樹×)明里】

 

高校を卒業してから3回目の同窓会。

1回目は22になったとき。

2回目は25のとき。

そのどちらも売れっ子の俳優である婚約者と共にアメリカに渡っていた彼女が、今回は参加するという。

国民誰もが知っている有名人の話を聞きたいという思いからか、今回の同窓会はかつてない参加率になった。

 

ちらりとさりげなく視線をやると、彼女の周りには高校時代はそれほど仲がよかったということはないような女や男までもが群がっている。

それでも彼女は嫌な顔せず、あの頃と変わらない春の日差しのような優しい笑顔を向けている。

「…なあ、随分綺麗になったよな。」

「…だよなあ。やっぱ芸能人と一緒に居るとそうなるもんなんかね…。」

皿を手にしたまま、吸い寄せられたようにほけっと彼女を見ながら同じクラスだった友人が呟いている。

「目立つ方じゃなかったけど、こつこつ努力する、よく気がつくやつだったよな…。」

「どっちかっていうと恋人というよりお嫁さんにしたいタイプだったよな…。」

「俺、好きだったんだよな…。」

…………!?

「「「何ィ!?」」」

さらりと流れに乗るように発せられたので、危うく流してしまうところだった。

「でも別に仲いいわけじゃなかったし、いつも女子と一緒に居たから告白できなくてさ…。」

……………。

「……俺も。」

「実は俺も…。」

…なんだよ。みんなじゃねーか。

高校時代の彼女のいいところを見ていたのは俺だけじゃなかったことに、小さな落胆を覚えたけれど。

 

高校で遂げられなかった想いは、同窓会で再び咲くことを期待していたけれど、同窓会が開かれる頃には彼女はもう婚約していたという有様で。

今となっては少し目立ち始めた腹部と、幸せそうな笑顔が彼女の結婚生活を物語っている。

そんな彼女を見つめながら、あの時行動しておけば、と再会の喜びに溢れる場に不似合いな重い溜息をついたのは、俺たちだけではなかった。

 

(明里は知らず知らず密かにモテるタイプだったことを希望。)

 


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【炎樹×明里】

 

いままでとちがう。

 

そう感じたのは一体いつだったか。

いつの間にか大きくなって制御できなくなった感情を持て余す。

一緒に暮らしてもう5年が経つというのに、まだ慣れない。

 

好きを通り越して、愛しく狂おしい、この感情に。

 

(炎樹サイド)

 


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【炎樹×明里】

 

ぞくり と背中を駆け上がる

ちかちか と眩しい

 

一瞬にして世界は色を失って 彼だけが鋭く鮮やかだ

 

私はこの人を愛していて この人は私を?

もしそうなら それはとてもとてもすごいことだ

私があの人の特別なら 私の小さな世界は色を変える

 

(明里が炎樹の演技を初めて生で見たとき。とんでもない存在感?オーラを放ってて欲しい)

 


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