謎のイケメン観察日記。1ページ目

 

 

【4月某日】

今日は大学の入学式だった。

俺は中学校から目指していた獣医師になるために○△大学獣医学部に進学した。

・・・きっ奇跡だ!俺が受かるなんて・・・ううっ。

 

おっと話がそれてしまった。

密かに大学デビューを狙っていた俺は髪の毛も朝1時間以上かけてセットしたし、着ていくスーツだって、アパレル関係の仕事をしている従兄弟の姉ちゃんに恥を忍んで頼み込み、選んでもらった自慢の一着だった。

朝の準備のために5時には起きたというのに鏡の前で自分のかっこよさを眺めているうちにうっかり遅刻しそうになった。

ふう、自分の魅力が怖いぜ。

 

まあ、そんなこんなで入学式の会場に到着したのだが、なにやら騒がしい。

といっても入学式とは騒がしいものなのかもしれないが。

俺か!?俺の到着を心待ちにしていたハニー達が喜びの声を上げているのかもしれない!

俺はここだぞーう!君達のダーリンが満を持して登場だよ☆

 

と、期待したんだが、そうじゃなかったあああああ(涙)!

人を掻き分けながら行ってみると騒ぎの中心はどうやら俺たちと同じく入学式に参加する一人の男だったようだ。

なんだあの男は。

俺の華麗な大学デビューを邪魔しやがってえええええ!

憎い、イケメンが憎い!

 

そう、確かにイケメンだ。

こんなことをライバルに言うのも憎たらしいがイケメンだ!

背が高く(あれは180はあると見た。俺の目に間違いなどあろうか、いやない!)、笑顔はさわやか(しかし直感が危険だと訴えているのはなぜだ)、足は長くて抜群のスタイルだ(男に対して抜群のスタイルとかいいたくないけどそうなんだ)!

 

くううううっ。

 

本当なら今頃あの注目の真っ只中にいるのは俺のはずだったのに!

あの男許すまじ。

これから観察してやつの秘密を暴いてやる!

そしてイケメンの秘訣を・・・・

 

 

アレ?

陥れるはずだったのに俺はライバルから学ぼうなんて!学ぼうなん・・・て・・・・。

違うだろ俺!

大学でハーレムを作るためにあいつを蹴落とすんだ!

うおおおおお!いいぞ俺!かっこいいぞ俺!

明日からあいつを観察してみっちり記録をとっていこうと思う。

今日は新たな目的が出来た一日だった。

 

 

 

でもやっぱりかっこよさの秘密も研究しよう、うん。

 

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