謎のイケメン観察日記。7ページ目
【6月某日】
バイトも入ってから1ヶ月ほど経ち、大分慣れてきた。
そして彼女とも大分話せるくらいに仲良くなってきた!
とはいっても…。
彼女はそれほどシフトに入っていないから会う機会が少ない…と嘆いていたら、どうやら彼氏が居るらしいことがわかってしまったのだぁぁぁ!
くううううっ。やはりかわいい子には居るんだよなあ…。はああぁぁぁーーーーー。
密かに誕生日を店長から聞きだそうとして便所掃除を言いつけられたり、携帯番号を知ろうと、さりげなく携帯を落として「あ、ごめん。携帯拾ってくれたんだね!お礼に電話番号教えてあげるよ(キラーン)!」というのを練習していたのに!!
床にへばりつきそうになるほど落ち込んじまったぜ。
はっ、す、好きな子はいるけど、なんていうかそれとは別、別っていうか、そう、なんか憧れっていうか!
ほら、憧れの人にはこうフリーで居てもらいたいっていうかだな…!!
って俺自分の日記で一体誰に弁解してるんだよ…。
と、とにかくだ!
どうやらバイト先の彼女には彼氏が居て、その彼氏が反対するからあんまりバイトには入っていないらしい。
喫茶店でのバイトもダメなんて厳しいねと言ったら、『ヤキモチ焼きなの。でもそんなとこも好きだったりして…えへへ。』とかって思いっきりノロケられたし(涙涙涙)!!!!!
くうううっ。その時涙を耐え、崩れ落ちるのをなんとか堪えた俺に拍手喝采!スタンディングオベーションだ!!
もう彼氏が居る人には開き直って持てるコツを聞こう、そうしよう!
という俺のちょっとしたポリシーにしたがって、彼女にも聞いてみた。
「悪い男ってどんなん?」ってな!
そうしたら彼女は
「えっと…。ちょっと意地悪で、嫉妬深くって、自分は女の子にモテて優しくしてるのに、彼女には他の男としゃべっちゃダメとか言って。」
ふんふん。
「あ、あとわざと人が来そうなとこでき、キスしたりとか、抱き締めたりとかして。」
ほうほう。
「でも意地悪なのに、ふとした瞬間優しかったりして、もっと好きになっちゃうような……エヘへ。」
………。
「それから…って、あ!私何言ってるんだろ!ご、ごめん。あの、そのね…!」
真っ赤になって弁解しようとする彼女。それが弁解になっていないことにも気付かない。
……つまり俺はまたしても彼氏のノロケを延々聞かされたのだった…!!
くうっそおおおおおお!
俺も悪い男になって、彼女をノロケさせてやるんだからな!!
待ってろよ!華原雅紀の彼女さん!
とりあえず彼女が言った彼氏の特徴をモテ帳に記録した。
ふんふん、これがかわいい子を虜にする悪い男なんだな!
よし!明日からこんな男になるために特訓だ!