ラブレボ短文集 →Back
01 初めての(蓮×ひとみ) 口をあけたまま固まる彼女。…なんだよ、誰だって1回目は初めてなんだ。
切符を入れ忘れて改札のバーに引っかかったくらいで。…しょうがないだろう、乗ったことないんだから。
02 癖(颯大×ひとみ) ついつい伸ばしてしまう手。ああ、またやってる。
高校時代のトレードマークはもうつけてないでしょ。しまったという表情で頭をかく彼の手をそっと握った。
03 おそろい(先生×ひとみ) そういえば!とかいきなり叫ぶから何かと思えば。
「先生と私の髪型おそろいですね!」
バカヤロウ。赤くなりながら言うんじゃねーよ。
ほどいたところが見たいって言えなくなっちまったじゃねーか。
04 ふたりきり(蓮×ひとみ&) ふたりきりで待つ白い部屋。
ようやくばたばたと廊下を駆ける足音が聞こえる。
王子さまがやってきたらもう生まれちゃったわよって言ってやるんだから。
あなたもママに加勢してね。…もう王子さまって年じゃないかしら?
05 君が微笑むから(先生×ひとみ&) ぐにーっとお互いほっぺたを引っ張り合う。
「おひょうひゃん、おとなふぇないひょ。」
大人気ないと言われても、コレばっかりは譲れないぜ。
誰であろうとオレ様の妻の夫の座は渡せない。
06 掴んだすそ(剣之助×ひとみ&) ずっと向こうで育ったから、家族以外の日本人が珍しくって人見知り。
パパの服が伸びちゃうわよとそっと小さな背を押した。
07 あったかい(雅紀×ひとみ) 「おい。」声をかけても反応しない。いじめすぎたかな。
「…雅紀君なんて知らないもん!シュタインは私に意地悪しないもん!」
頬を膨らませた愛しい人は部屋の隅っこで愛犬を抱き締めたまま。
ああ、こんな日常はひどく
08 その一言だけで(剣之助×ひとみ) 「…好きだ。」
今にも口に運ぼうとしていた手が止まる。
大口開けてるときに言わないで。でもその言葉でお腹いっぱい。
あんなにおいしそうに見えていたケーキより、あなたの言葉はよっぽど甘い。
09 このままずっと(兄) 「あなたの妹よ。」と渡された小さなぬくもり。
そっともみじのおててを握ると、僕を見つめる星を浮かべた瞳。
その日から君は僕のキラキラになったんだ。
10 心に住む人(綾人×ひとみ) 僕が居なくなったら、と切り出したのを遮って、「私の心は狭いから、一人しか住めないんですよ、残念ながら。」と笑う君。
彼女の心の中には4畳半で生活している僕が居るらしい。
01. 言葉の代わりに(剣之助×ひとみ) 最近彼はとっても大胆。
「言葉にするのは恥ずかしいっス。」
けれどもいきなりキスするほうが、ずっと私は恥ずかしい。
02. これが最後(誰か×ひとみ) 今日は恋人最後の日。
明日から二人は夫婦になります。それはとっても幸せで。同時にちょっぴり寂しくて。
ぎゅっと腕を絡めたら、ちゅっとお返しくれました。婚約指輪も今日で役目が終わります。
明日から二人の薬指、結婚指輪が飾ります。
そんな二人を祝うよにきらりと星が落ちました。
03. 贈り物(颯大×ひとみ&) そっと小さな手に触れる。
爪の形が君に似ている。目元はあなたそっくりよ。
そんな優しい会話を交わして。これから俺が守っていく大切なものが増えました。
あの頃よりもずっと大きくなった体で、手で。
君とこの子を守るから。3人になった日常が、一番素敵な贈り物。
04. 約束など無くても(雅紀×ひとみ) 二人で交わす誓いの日。
「死が二人を別つまで」
そんな言葉が無くたって、あの世までも愛してる。
05. スケジュール帳の空き(蓮×ひとみ) びっしり黒いスケジュール。
その中でぽっかり開いた1日は。いつもあいつのためだけに。
皆さんからの投稿お題
ヤキモチ(華原×ひとみ) by美穂さん 赤い道を歩く時。
必ず来ると分かっていたけど、実際来るとやっぱり切ない。大切な娘を奪う憎い男が今日から私の息子になる。
ああ、それはなんて皮肉でなんて幸せ。